神経内科後期研修プログラム

国際医療福祉大学熱海病院の前身は、明治44年に創設された東京第一衛生病院(現、国立国際医療研究センター)熱海分院、後の国立熱海病院です。平成14年に国際医療福祉大学が附属病院として承継し神経内科を開設(玉城允之教授)。平成17年に新病院が完成したのち、平成19年に塩澤全司教授が山梨大学附属病院神経内科教授を退官後に着任され、さらに平成22年4月に永山正雄教授(東海大学医学部神経内科学前講師、島根大学内科学講座嘱託講師)が着任しました。これらの神経内科指導・診療体制強化に伴い、平成23年7月に当院内に、主に急性期神経疾患および難治性神経疾患を対象とし、多職種による高度チーム医療を展開する脳卒中・神経センターを設置。平成24年度は、梁成勲医員(日本神経学会専門医、平成17年弘前大卒)が着任し、さらなる診療の質の向上、研究、教育体制の強化を図りつつあります。
当科の教育スタッフは、臨床神経学全般にわたる深い学識、経験と教育経験を有する塩澤全司教授、脳卒中をはじめとする脳神経疾患の救急・集中治療、難治性神経疾患の診療、医学教育、医学英語教育を専門とする永山正雄教授よりなり、神経内科学全領域にわたる高度の診療・教育・研究体制の基礎が整いました。
国際医療福祉大学熱海病院は、ほぼすべての診療科を有する臨床研修指定病院であり、臓器移植をはじめとする高度先進医療、救急医療、地域医療を広く経験し、臨床研究にも参加できる環境から多数の臨床研修志願者があり、毎年約5名の臨床研修医が選抜されています。当科における神経内科学教育では、病歴聴取と診察を最重要な過程と位置付け教育するとともに、最先端の神経生理•画像診断機器を駆使しつつ、脳神経系全般の救命救急医療から慢性期リハビリテーションに至る流れを経験することが出来るように工夫しています。

取得できる資格(認定医等)

コース研修期間中に専門医資格申請要件を満たすもの
日本内科学会認定内科医

コース研修期間を所定の研修期間に計上できるもの
日本神経内科学会専門医
日本内科学会総合内科専門医(他の内科もロテーションする必要あり)
日本脳卒中学会専門医
日本認知症学会専門医
日本神経救急学会フェロー

施設認定

日本神経学会専門医制度教育施設
日本脳卒中学会認定研修教育施設
日本内科学会認定医制度教育病院
日本救急医学会認定救急科専門医指定施設

プログラム概略

神経内科専門医、脳卒中専門医、神経救急・集中治療フェロー(日本神経救急学会フェロー)、日本内科学会総合内科専門医を養成するコースです。頭痛、めまい、しびれ、意識障害、痙攣、脳血管障害(脳卒中)、認知症、神経難病等のあらゆる神経疾患および内科疾患全般について学ぶことが可能です。これまでに多くの神経内科専門医、脳卒中専門医、日本内科学会総合内科専門医・認定内科医を送り出した研修プログラム責任者の経験を活かして、これらの専門医および日本神経救急学会フェロー(平成26年1月認定開始)の取得が出来るように対応しています。

募集人員

2名

研修期間

原則3年
※うち1年間は、国際医療福祉大学・高邦会グループで神経内科領域を取り扱っている病院へ研修の選択が可能。

診療実績

当科の診療教育体制の充実に伴い経験症例は急速に多彩かつ豊富となってきており、頭痛・めまい・しびれ・意識障害・全身痙攣・脳血管障害(超急性期脳梗塞に対する血栓溶解療法施行例ほか)・認知症・Parkinson病ほかのいわゆるcommon diseasesや症候は勿論、さまざまな神経難病、Wernicke脳症、筋萎縮性側索硬化症、非痙攣性てんかん重積状態、ほか多くの大変貴重な例があり、優れた神経内科専門医を育成する格好の研修の場となっています。

神経内科診療実績(平成24年度延数)
【患者数合計】
外来患者数:初診2400人、再診4040人、入院患者数:207人。病床数;急性期12〜24床、回復期8〜16床)
【入院患者疾患内訳(主な疾患のみ)】
脳血管障害86人、神経変性疾患62人(Parkinson病52人、多系統萎縮症1人、脊髄小脳変性症1人、多発性硬化症2人、筋萎縮性側索硬化症6人)、諸種認知症25人、てんかん31人、急性髄膜炎4人、急性脳症4人(高アンモニア血症性脳症1人、Wernicke脳症1人、敗血症関連脳症2人)、頭痛8人、脊髄疾患6人(脊髄炎4人、stiff person syndrome 2人)、神経・筋疾患12人(Guillain-Barre症候群2人、Fisher症候群1人、慢性炎症性脱髄性多発根神経障害2人、周期性四肢麻痺3人、重症筋無力症2人、横紋筋融解症1人、他のミオパチー1人)。

具体的な研修内容

【病棟診療】主治医とともに担当医として診療
【外来診療】指導医とともに診療(註:わが国における不十分な外来教育を以前から指摘し実践している)
【多科多職種カンファレンス実施】脳卒中・神経センター約50回、CPC 6回、内科合同約50回、リハビリテーション合同約50回、回復期リハビリテーション約50回
【主な実施手技】全身:多数、人工呼吸器管理、中心静脈穿刺、心肺脳蘇生ほか。
神経:神経診察、腰椎穿刺、超急性期脳梗塞に対する血栓溶解療法(t-PA投与)、脳波・筋電図検査ほか。

  • 日本神経学会後期研修ミニマムリクアイアメントに定められた神経学的症候や病態の意味を正しく理解し、適切な神経学的所見をとることが出来る。
  • 神経生理、神経放射線、神経超音波、神経病理、神経遺伝学をはじめ、各種神経学的検査結果の意味・解釈や治療の内容を理解出来る。またミニマムリクアイアメントに定められた検査、治療、手技は自ら施行し、適切な判断を下すことが出来る。
  • 適切な鑑別診断と確定診断を行い、治療計画を立案し適切な診療録を作製できる。ミニマムリクアイアメントに定められた疾患については主治医として十分な診療経験を有している。
  • 診断・治療方針の決定困難な症例や神経内科救急をはじめ迅速な対応が必要な症例などにおいて、自科の専門医、他科の医師に適切にコンサルトを行い、適切な対応ができる。
  • メディカルスタッフと協調、協力する重要性を認識し、適切なチーム医療を実践できる。
  • 患者さんから学ぶ姿勢を持ち、患者さんと周囲に対するメンタルケアの大切さを知り、実践できる。
  • 神経学的障害をもった患者さんの介護・管理上の要点を理解し、在宅医療を含めた社会復帰の計画を立案し、必要な書類を記載出来る。
  • 神経内科救急疾患における診察の仕方、処置の仕方について学び、実践できる。
  • 医療安全、倫理、個人情報保護の概念、医療経済について必要な知識を有する。
  • 米国内科学会ほかによる「新ミレニアムにおける医師憲章」(邦訳;永山正雄ほか日本内科学会専門医部会会長諮問委員会訳)等を踏まえたプロフェッショナリズムの理解と実践

指導医師

永山 正雄
永山 正雄

神経内科 教授
脳卒中・神経センター副センター長
日本内科学会指導医・総合内科専門医、日本神経学会指導医・専門 医、日本脳卒中学会専門医、日本救急医学会救急科専門医
厚生労働省医政局指導医講習会終了、医のプロフェッショナリズムに関する著書あり

東海大学卒、医学博士
国立大学法人島根大学医学部嘱託講師、元東海大学神経内科・高度救命救急センター講師、元横浜市立脳血管医療センター神経内科部長
日本内科学会認定指導医・総合内科専門医・内科医、日本神経学会認定指導医・神経内科専門医・評議員・代議員(2000~2013)、厚生労働省認定臨床研修指導医、日本脳卒中学会認定脳卒中専門医・代議員、日本救急医学会認定救急科専門医、日本蘇生協議会常任理事、救急蘇生ガイドライン作成合同委員会共同座長、5学会合同脳卒中ガイドライン委員会事務局責任者(1999~2011)、日本臨床救急医学会評議員、日本神経治療学会評議員、日本生活習慣病学会評議員、日本脳循環代謝学会評議員、第36回日本POS医療学会学術大会会長、第28回日本神経救急学会学術集会会長、米国 Neurocritical Care Society国際委員会委員、米国神経学会上級会員

正統的な神経学を学びつつ、新たな神経内科、医学・医療の向上を目指してともに頑張りましょう。Never give up ! 目指せナンバーワン and/or オンリーワン ! 

塩澤 全司

神経内科 教授
脳卒中・神経センター顧問 日本内科学会指導医・認定内科医 日本神経学会指導医・専門医、日本脳卒中学会専門医 
山梨医大名誉教授OSCEに関する著書あり

山梨大学名誉教授
名古屋大学卒、医学博士
日本神経学会認定指導医・神経内科専門医・評議員、日本臨床神経生理学会認定専門医、日本人間ドック学会認定人間ドック専門医、日本脳卒中学会認定脳卒中専門医、日本リハビリテーション医学会認定医、日本温泉気候物理医学会認定温泉療法専門医、日本睡眠学会認定医、日本内科学会認定指導医・内科医、日本医師会認定産業医、日本マイクロニューログラフィ学会理事、日本神経治療学会評議員、前日本自律神経学会理事、前日本神経感染症学会理事

梁 成勲

神経内科 医員(平成26年度復帰予定)
平成25年度は非常勤日本内科学会認定内科医、日本神経学会専門医、日本脳卒中学会専門医

弘前大学卒
日本内科学会認定内科医、神経内科専門医

後期研修医キャリア形成例

1年目 国際医療福祉大学熱海病院でのキャリア形成

指導医・上級医による指導を受けつつ担当医として入院診療の研鑽を積む。神経内科症例検討会のほか、脳卒中・神経センターカンファレンス、内科カンファレンスやCPCなどを通じて、神経内科の考え方や知識、必要な診断方法や治療方針を習得していく。また、たとえ主治医ではなくとも、カンファレンスや総回診を通じて幅広い疾患に対する理解と経験を深める。検査業務については指導の下に適切に施行出来るようにする。救急外来および集中治療室ICUでは、神経内科救急・集中治療に対する処置について研鑚を積む。外来では、退院後の患者の治療継続を行い、疾患の縦断像を把握出来るよう努める。指導医や上級医の指導の下、各種書類を適切に記載する。様々な定例講演会、医療安全・医療倫理の講演会、およびACLS(二次救命処置)講演会には積極的に出席する。

2年目 他施設でのキャリア形成(例)

国際医療福祉大学熱海病院も含め、グループ内他病院から施設を自由に選択

引き続き指導医の指導のもと、主に、入院患者の診療にあたり、幅広い症例の経験と診療技術の習得に努める。希望があれば、関連診療科である、脳神経外科、循環器内科、リハビリテーション科などでの研修を、期間を限って行うこともできる。 主治医として自立して入院・外来患者の診療に当たる。初期研修医の指導も行う。指導医のもと、臨床研究、症例報告などの論文作成を行う。
引続き、指導医・上級医による指導をうけながら、主治医として外来・入院診療の研鑽を積む。神経内科症例検討会のほか、脳卒中・神経センターカンファレンス、内科カンファレンス、CPCなどを通じて、神経内科の考え方や知識を深め、診断方法や治療方針を習熟していく。カンファレンスや教授回診を通じて幅広い疾患に対する理解と経験をさらに深める。基本的な疾患では適宜指導医・上級医に相談しながら一人で診療可能なレベル到達を目指す。検査業務、特に神経超音波検査、筋生検、神経生検についても、基本的な内容は一人で施行出来ることを目標とする。救急外来および集中治療室ICUでは、神経内科救急・集中治療に対する経験を深める。積極的に外来業務を行い、疾患の幅広い知識を身につけるとともに、引続き疾患の縦断像を把握出来るよう努める。指導医や上級医の指導の下、各種書類を適切に記載する。さまざまな定例講演会、医療安全・医療倫理の講演会には積極的に出席する。臨床研修の合間に時間的余裕が生じれば、積極的に臨床研究を行うように務める。
神経内科医としての専門外来・病棟での診療を行いながら、内科認定医の取得を目指し、神経内科専門医を取得する準備を始める。(多くの症例を経験できるように配慮する。)
その他、必要に応じて他診療科においてテーマを持って、専門的な手技等の研修をすることも可能とする。
(例.高木病院麻酔科において、挿管を含めた全身管理の経験を積む)
(例.高木病院脳神経外科又は柳川リハビリテーション病院脳神経外科において、外科系神経疾患の勉強をする)
(例.高木病院循環器内科において、心エコーの経験を積む)
(例.柳川リハビリテーション病院において、神経疾患・運動器疾患を含めたリハビリテーション全般の勉強をする)
3年目 国際医療福祉大学熱海病院でのキャリア形成

主治医として外来・入院患者を受け持ちながら各種検査を行うとともに、臨床研修医の上級医としての指導も行なう。関連病院との連携を通じて在宅の状況を把握出来るように努め、全人的な診療の中での神経内科診療の習得を目指す。日本神経学会の定めるミニマムリクアイアメントを適切に達成出来るよう、指導医と相談し、不足する研修内容は日本神経学会をはじめとする学会教育講演会やハンズオンセミナー、各種学習会などを通じて習得出来るよう研鑽に励む。臨床研修の合間に時間的余裕が生じれば、積極的に臨床研究の成果を学会で発表し、論文化する。なお後期研修期間中の1年間、国際医療福祉大学および他の本学関連施設にてローテーションを行うが、希望と資質に応じて先進的施設への国内外留学の機会が与えられる。