腎泌尿器外科後期研修プログラム

当院は、日本泌尿器科学会専門医教育施設であり、経験を積んだ指導医による指導体制が整っている。最新式手術支援ロボット「ダ・ヴィンチSi」を導入しており、前立腺がんを中心に低侵襲でより精度の高い手術をおこなっているほか、前立腺肥大症に対するレーザー治療(HoLEP)、尿路結石症に対する体外衝撃波破砕治療(ESWL)あるいはレーザーを用いた内視鏡治療(f-TUL)など、低侵襲で安全な最先端の治療を研修することができる。

取得できる資格(認定医等)

コース研修期間中に専門医資格申請要件を満たすもの
日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医 ※1
日本泌尿器内視鏡学会 腹腔鏡技術認定医 ※2
※1 後期研修4年目に専門医試験を受験し、合格すれば後期研修4年目修了時点で日本泌尿器科学会認定専門医を申請できます。その間最低2年間は基幹教育施設での研修が必要です。
※2 泌尿器科専門医取得後、2年以上泌尿器腹腔鏡手術の修練を行っていることが要件です。

施設認定

日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医基幹教育施設

プログラム概略

本プログラムは、初期研修修練後の後期研修用のためのプログラムであるが、初期臨床研修の参考にもなるように作成されている。
本プログラム終了時には、泌尿器科専門医を取得できる技量と経験をつめるとともに、後進の指導的役割を担う人材として育成されるよう計画されている。

募集人員

1~2名

研修期間

原則4年
※うち1年間は、国際医療福祉大学・高邦会グループで腎・泌尿器科領域を取り扱っている病院での研修の選択が可能。

主要な入院診療実績(平成24年度)

1)外来・入院患者数(平成24年度実績)
外来患者 約1400名/月 入院患者数 約50名/月
2)手術件数(月間平均) 約30件/月(平成24年度実績)
全身麻酔手術8件、腰椎麻酔手術21件、局所麻酔手術1件
内訳:観血的前立腺手術(根治的前立腺全摘術、前立腺被膜下摘除術)5件
観血的腎手術(根治的腎摘術、腎尿管全摘術、腎部分切除術など)2件
系統的前立腺針生検術13件、内視鏡手術(経尿道的前立腺切除術、同膀胱腫瘍切除術、同砕石術など)9件、小児手術(停留精巣、包茎など)1件 *体外衝撃波結石破砕術14件
3)検査件数(月間件数)
尿路造影検査(静脈性尿路造影、順行性・逆行性腎盂造影、逆行性尿道造影、排泄時膀胱造影、チェーン膀胱造影など)約10件、CT約110件、MRI約32件、RI約10件、内視鏡検査約50件、経直腸超音波検査約25件、腹部超音波検査約45件など

  • 2年間の初期臨床研修終了後、本プログラムによる研修を開始する。
  • ・下記診療項目チェックリストに従い、指導医のもとに手術を術者あるいは助手として行う。
    ・術前検査から手術適応を自ら決定し、術後管理を経験する。
    ・代表的な泌尿器疾患の診断および治療方針を決定する能力を身につける。
    ・患者を受け持ち、カンファレンスなどでプレゼンテーションし、上級医師や
     他科医師、メディカルスタッフとディスカッションすることにより、患者に
     とって最良の医療を提供できる技量を身につける。
    ・患者および家族の状況を把握し、個々に対して最も適した治療方針を選択
     し、それを説明・実施することができる。
    以上の経験により卒後6年目で日本泌尿器科学会専門医、10年目に日本泌尿器科学会指導医の取得を目標とする。
  • 泌尿器科に関する論文を3編(筆頭1編以上)発表する。

その他

腎・泌尿器外科診療項目チェックリスト (選択ローテーションおよび初期臨床研修時に習得すべき救急・プライマリ・ケアに必要な項目は診療項目チェックリストに(R)で示している。)

診察・診療
主訴、現病歴、家族歴、既往歴、生活歴、生活環境などに応じた適切な問診ができる。(R)
問診の結果から疾患群の想定ができる。(R)
鑑別に要する検査法の体系化ができる。(R)
腎などの腹部の触診がとれる。(R)
前立腺触診、陰嚢内容の触診がとれる。(R)
排尿機能を中心とした神経学的所見が取れる。
疾患の内容・程度から外来診療、入院診療、および手術の適応の決定ができる。(R)

検査
検尿所見を評価できる。(R)
尿道膀胱鏡検査ができる。
尿管カテーテル法ができる。
腹部超音波検査ができる。
前立腺、膀胱超音波検査ができる。
尿道分泌物、前立腺液、精液検査ができる。
生検(腎・膀胱。前立腺・精巣)ができる。
ウロダイナミックス(膀胱内圧測定、尿道内圧測定、尿流測定)ができる。
X線検査(KUB,IVP,DIP,RP,各種膀胱造影、尿道膀胱造影)ができる。
内分泌学的検査(下垂体、副腎、精巣、上皮小体)の検査ができる。
腎機能検査ができる。

処置
滅菌・消毒ができる。
採血・注射ができる
輸血・輸液ができる。
尿ができる。(R)
膀胱、腎臓の穿刺ができる。(R)
局所麻酔、切開、止血、縫合ができる。(R)
尿道・尿管狭窄の拡張ができる。
尿管内にステントを留置することができる。

泌尿器科手術の適応を判断し、術者として施行できる。
経尿道的前立腺切除術  経尿道的膀胱粘膜生検術  経尿道的膀胱腫瘍切除術
内尿道切開術  経尿道的膀胱砕石術  経尿道的異物除去術
環状切除術  経尿道的尿管砕石術  内視鏡下腎盂切開術  腎摘除術
腎尿管全摘術  副腎摘除術  腎盂形成術  膀胱部分切除術
膀胱全摘除術  尿管膀胱新吻合術  膀胱拡大術  膀胱尿管逆流防止術
尿路変向術(尿管皮膚ろう、回腸導管造設、など)
尿失禁防止術  被膜下前立腺摘除術  前立腺全摘術  尿道形成術
高位精巣摘除術  両側精巣摘除術(去勢術)
精巣固定術  陰嚢水腫根治術  精液瘤切除術

治療法の原理と方法を理解し実施できる。
体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
悪性腫瘍に対する全身化学療法
全身的感染症の薬物療法

指導医師

内田 克紀
内田 克紀

腎・泌尿器外科部長
国際医療福祉大学教授
日本泌尿器科学会指導医・専門医・ボーディングメンバー、日本腎臓学会指導医・専門医

筑波大学卒、医学博士
元筑波大学臨床腎泌尿器外科講師
日本泌尿器学会認定指導医・泌尿器科専門医、がん治療認定医機構暫定教育医、栃木県がん集検協議会理事、栃木県がん集検協議会前立腺がん検診部会長、栃木県保険衛生事業団学術委員、臨床研修協議会プログラム責任者
腎・尿路および男性生殖器の疾患に幅広く対応している。特に尿路性器腫瘍(腎・膀胱・前立腺がん)、前立腺肥大、尿路結石症に対する治療の第一人者であり、豊富な臨床経験と治療実績を有する。常に患者様本位の医療を心がけ、丁寧でわかりやすい説明を行い、安全で確実な技術に基づいた先端医療をご提供している。

当科は泌尿器科医として常に患者様本位の医療を心がけ、丁寧でわかりやすい説明を行え、安全で確実な技術にもとづいた先端医療を提供できる医師の養成いたします。

稲井 広夢

腎泌尿器外科医長
国際医療福祉大学講師
日本泌尿器科学会指導医・専門医

筑波大学卒
日本泌尿器科学会認定指導医・泌尿器科専門医
泌尿器科疾患全般を幅広く診療している。常に最良の治療をご提供できるように努力している。すでに、日本泌尿器学会の指導医の資格も取得し、若手医師に対する指導にも熱心に取り組んでいる。

遠藤 剛

腎・泌尿器外科医員
日本泌尿器科学会専門医

筑波大学卒
日本泌尿器科学会認定指導医・泌尿器科専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医
患者様にとって最適な医療を常に心がけ、丁寧でわかりやすい説明による診療、患者様との信頼のうえに立った治療をめざしている。

内田 将央

腎・泌尿器外科医員
日本泌尿器科学会専門医

筑波大学卒
患者様の社会背景も考慮し、それぞれの患者様によりよい医療をご提供できるよう、日々心がけている。

後期研修医キャリア形成例

1年目 国際医療福祉大学病院でのキャリア形成

内視鏡検査、超音波検査、造影検査、各種処置(尿道拡張術、膀胱瘻造設術、腎瘻造設術)ができる。経直腸超音波ガイド下前立腺針生検ができる。陰嚢陰茎手術(環状切除術、高位精巣摘除術、両側精巣摘除術、など)、各種内視鏡手術(経尿道的膀胱腫瘍切除術、膀胱砕石術、など)が術者として執刀できる。体外衝撃波結石破砕術(ESWL)を執刀できる。

2年目 他施設でのキャリア形成(例)

国際医療福祉大学病院も含め、4つの病院から施設を自由に選択

腎臓の手術(根治的腎摘術、腎部分切除術、腎尿管全摘術、など) が術者として執刀できる。
経尿道的前立腺切除術、経尿道的ホルミウムレーザー前立腺摘術(HoLEP)、経尿道的レーザー結石砕石術(f-TUL)が執刀できる。
全身的感染症(急性腎盂腎炎、急性前立腺炎、およびそれらに由来する敗血症など)の薬物管理ができる 手術支援ロボット「ダ・ヴィンチSi」による前立腺がん手術での助手等を経験してもらう。
経尿道手術の術者や開腹手術の術者。助手として積極的に手術および術後管理に関わる。
泌尿器科および尿路結石破砕治療センターが並立し、尿路結石の治療、および腎癌、尿路上皮癌(膀胱癌・腎盂癌・尿管癌)、前立腺癌、精巣癌をはじめとする泌尿器科悪性疾患、前立腺肥大症や尿失禁などの排尿異常、副腎疾患に対しても積極的に診断、治療を行っている。
悪性腫瘍手術・化学療法、内分泌治療などをおこなう。透析・CAPDなどの末期腎不全治療の治療管理に携わる。
日本泌尿器科学会専門医基幹教育施設であり、体外衝撃波による結石治療(ESWL)を250件(193例)実施。また手術室利用の手術件数は338件実施している。(平成23年度)
体外衝撃波結石破砕装置を導入し、これまでに8,000名を超える尿路結石の治療症例あり。前立腺肥大症、悪性疾患(腎癌、膀胱癌、前立腺癌等)の手術・治療なども積極的に実施。
ステップアップし、開腹手術の術者の経験。
3年目 国際医療福祉大学病院でのキャリア形成

膀胱全摘術+尿路変更術、前立腺全摘術を術者として執刀できる。悪性腫瘍に対する、全身化学療法、分子標的薬治療、内分泌治療などが管理できる。症例報告などを中心として積極的に学会発表ができる。 臨床研究など研究テーマを絞り込む。
手術支援ロボット「ダ・ヴィンチSi」による前立腺がん手術での助手等を経験してもらう。